フランソワーズ、博士誕生記念

「博士、フランソワーズ。誕生日おめでとう!」

 今日は、二人の誕生日をお祝いする為に、久しぶりに日本の研究所に全員が集まっていた。
「有難う。」
 とフランソワーズとギルモア博士が返事を返していた。ギルモアの目にはうっすらと涙を流した。その姿に全員が吃驚し、
「どうしたんですか!」
「こんな儂に誕生日を祝ってくれるなんて…。儂はお前さん達を不幸にした張本人なのに」
「博士以外だったら僕たちはもっと不幸になっていたかも知れないです。博士だったから僕達は人間として暮らせるのです。だからそんなに責めないで…。」

 その時、研究所のチャイムが鳴った。フランソワーズは玄関の扉を開けて吃驚した。
「お兄ちゃん。どうして…。」
「ジョー君に頼まれていてね。お前を吃驚させようとしたんだよ。お前の能力を聞いていたからこっそり入るのが難しかったがイワン坊やの超能力で誤魔化して貰っていた。フランソワーズ、誕生日おめでとう」
「嫌だわ。まさか皆知ってたの?」
「皆、知っていてお前を吃驚させようとしたんだよ。…お前が攫われた時はもう会えないかと思ったが、またこうやってお前の誕生日を祝う事が出来て良かったよ。たとえどんな姿になってもお前はお前だ…。生きていてくれて良かった。」

「ジャン君、儂は。お前さんの妹さんを改造して済まない」
 とこうべをたれた。
「ギルモア博士、顔を上げて下さい。貴方を恨んでいません。坊やが中継してくれたので話は聞いています。他の人が言う通り、貴方のお陰で私は妹と再会する事が出来た。お礼を言うのはこちらの方です。有難う、博士」

 その日ジャンまで研究所に泊まりこみ明け方まで飲み明かした。

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