投稿者: 香月梨沙

僕は幸せな家族の夢をみる

 ”僕は幸せな家族の夢をみる。”

 僕は幸せな家族の夢を見る事がある。
 だけど…僕は児童養護施設出身で家族が居ない。
 家族が欲しいと思った事はある。

 もし僕に両親、兄弟などの家族が居たら、どんな家族になったのだろう…。
 いつも笑いに包まれているような家族?それとも…。

 欲しいと思っていた家族が出来た。
 それはかけがえのない仲間たち…。
 父親代わりの優しいギルモア博士。
 美味しい料理を作ってくれる母親代わり(?)の張大人。
 可愛い弟だって居る。そしてみんな…。
 彼らは僕にとって家族同然の存在…。
 今はとっても幸せ…。
 それでもやはり、

 ”僕は幸せな家族の夢をみる”

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The Crossdresser by ギルモア博士

ある日の夕方、リビングにて寛ぐ00ナンバーの面々。その時、
「皆、儂のカッコ変じゃないかの?」
 と言う声がしたのでドアの方へ向いて、一斉に固まった…。
 暫くして、最初に硬直から解放されたのはフランソワーズであった。
「あの~どうしてそんな恰好を?」
「イヤー、シャワー浴びて服を着ようとしたら、これが置いてあったのじゃよ。出すとき間違えたのかの~。どう考えても女物じゃし裸じゃだめだと思ったので着て来たんじゃが、やっぱり似合わなかったのかの?」
 自分のものと女物、間違えるはずがない。それ以前にそんなもの着るか?とツッコミどころ満載だが全員言わないでいた。

「いえ、お似合いですわ~」
 とフランソワーズ。続けて、
「あちらでお化粧してあげますわ。博士」
 と博士を連れて自分の部屋に連れて行った。

 ”あれ、似合うか?”
 ”フランソワーズ、老眼になった?”
 ”それ以前にフランソワーズの仕業なんじゃ”
 と言う声がリビングに残されたものから囁かれていた。

「似合うかの?」
 と言う声がしたので振り向いたらまた再度全員固まってしまっていた。もう一度恥ずかしそうに、
「似合うかの?」
 と聞いてきた。

 ギルモア博士の格好は先程の女の物の服、バッチリの化粧、パンプス、博士の白髪には真っ赤なリボンが付けられていた。ゼロゼロナンバーのメンバー全員吹き出しそうになるのを必死にこらえていた。
 それに気づかないギルモア博士。

「そうか、似合うか」
 ともうノリノリでダンスを踊っていた。
「よし、この姿コズミ君にも見せよう」
 と玄関先に向かおうとする博士を
「博士、それだけは絶対辞めて下さい~。」
「俺たちの恥になりますから、辞めて~。」
 と必死になって止めていた。

「何じゃ似合うんじゃなかったのかの?」
「それとこれとでは話は別です。」
 しぶしぶ着替えに部屋に戻るギルモア博士。
 それを見ていたフランソワーズはちょっぴり残念そう…
(残念、コズミ博士あのままの格好であったらどのような顔をするのか楽しみだったのに…。まあいいわ、次は誰を女装させようかしら。)

 フランソワーズは誰を女装させて遊ぼうと次の計画を練っていた。
 …さてどうなることやら。

終わり

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僕は雪を見ると物悲しくなる…。
 一体どうして…。
 児童養護施設に居る時に先生達に言われた事がある。

「僕は雪の日に保護されたのよ。」
 と。その日、母は死んで僕は施設の職員さんに保護されたみたい。だからかな?雪を見ると物悲しくなるのは…。1歳の頃らしいから何となく記憶しているのかな?

 雪は綺麗で見るのは好き。それでも…。

 お母さんに一度会いたい。無理だと解っているけど。それでも一度会って、『生んでくれてありがとう』とお礼を言いたい。

 向こうでフランソワーズが呼んでいる。行かなくっちゃ…。

「ありがとう。力強く生きるから大丈夫、だから心配しないでお母さん」
 と祈りを込めて呟いた。

 何となく笑顔でうなづいたような気がした。

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