第7話 009の憂鬱

 009は憂鬱だった。というのも黒い幽霊団に捕まえられて擽られた事は屈辱的で誰にも言えない事もあるが、一番の憂鬱の種は001の事であった。
 
 なんせ、001はねっとりとした目で009を見、「ぐへへへ」と不気味な笑い声をしながら鼻血を出すもんだから、とても心配だ。何とかして聞こうとすると逃げる始末。敵もさることながら行動するからどうしようもない。そこへ、003がやってきて、
「あら?ジョー。ジェット知らない?」
 と聞いてきた。部屋じゃないと答えると
「あらそう。じゃあ行ってみるわね」
 と答え、ジェットの部屋に向かった。
 数分立たないうちにフランソワーズの怒鳴り声が聞こえたので行ってみる事にした。
 
「ジェット!何赤ん坊に教えてるのよ!」
 何だ何だと部屋を除くとジョーはめまいが起きていた。001は見つからないようにテレポートで002の部屋に来ていた。
 二人が見ていたものは濡れ場のイラスト。それも顔はジョーだった。何と二人でジョーのいや~んな姿をイラストを見ながら妄想していたのであった。
 
 暫く呆然と立ち竦んでいた009だったが、はっと我に返りそのイラストを持ち、破り捨てた。そして、
「もう、知らない!二人の馬鹿!!」
 と怒鳴り、自分の部屋に戻り籠城してしまった。後に残された二人はフランソワーズ、ギルモア博士、004にしこたま怒られ、天野岩戸状態の009は一週間以上閉じこもり、やっと出て来たと思ったのも束の間、001と002の二人とは一切口を聞かなかったそうな。
 めでたしめでたし。

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