「酷いよ!博士信じてたのに」
ジョーの怒鳴り声が研究所中に鳴り響いた。他の面々は何事かと思いギルモア博士の部屋に向かった。
「どうして教えてくれなかったのですか!貴方が僕の父親だって…」
その言葉を聞いて唖然とする面々だったが、ふと我に返りジョーを宥めようとしたが、それより早くジョーは部屋を出ていってしまった。
「どういう事なんですか?」
「どういう事も…。ジョーが儂の子だったって解ったのはつい最近なのじゃから…」
口どもる博士。続けて、
「儂と彼女は将来を誓い合った仲じゃった…。迎え入れる準備をしとったんじゃ。その直後彼女、ジョーの母は音信不通になってしまっての…。それきりなんじゃ。まさか、お腹に子がいたとは…。儂は…、儂は何という事をしてしまったんじゃ…解らなかったとはいえ実の子をサイボーグにしてしまうなんて…彼女に、マサに何て言えばいいんじゃ!」
取り乱すギルモアだったが、
「落ち着いて博士。博士だって黒い幽霊団に騙されていたじゃないですか…ジョーも解ってくれますよ。今一度話し合うべきです。」
とアルベルト。周りにいた面々もそうだそうだと言うように頷いている。
「そうかの?あの子は儂を許してくれるかの?」
「大丈夫ですって、あいつはとても優しい子です。話せば解ってくれますって」
ジョーが出ていって数時間後、頭が冷えたジョーが研究所に戻って来た。
「ごめん、博士。酷い事言って。本当にお父さんなの?全て教えて?」
覚悟を決めたギルモアは、ジョーの母との出会いや彼女を愛し合っていたかをジョーに説明した。
「そうだったんだね、博士。良かった…二人は愛し合っていたんだね。僕は望まれて生まれてきたんだ。ずっと気掛かりだったんだ、僕は望まれない子だったんじゃないかと…そうじゃなくて安心した」
親子は何時間でも話続けた。ジョーがギルモアをお父さんと呼ぶ日もそう遠くないだろう。
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